心から美味しいと思える料理に、これから先これくらい出会えるだろう。本当に美味しい料理屋はどこだろうと記憶を辿った時真っ先に浮かんだ店はここだった。秘密にしたいけど、知って欲しい店がここにある。

経田の二の宮さん通りを少し入った所に、創食味「池見」がある。注意して見ていないと通り過ぎてしまいそうな、ひっそりとした佇まいのお店だ。ドアを開けると、きれいな木目の店内が明るく、落ち着いた雰囲気が広がっている。「いらっしゃいませっ」という店主の声が響き、気持ちがいい。自らを不器用だと話す店主は、一見とっつきにくいようだが、とても気さくで話好き。もともと手先が器用でものを作ることが好きだったことから、縁あって料理人という職に就いた。県内のホテルでフランス料理の料理長を務めていた経験もある。最近では、料理人と名乗る人が増えたけれど、包丁の持ち方さえもちゃんと知らない人が多い。どんな職業でも、基本となることは変わらない。職人の厳しい世界の中で叩き込まれた基本が、今も自分を支え、染み付いている。だから、「うちのバイトには厳しいんですよ」と真剣な顔で語る。バイトをすることは、ただお金をもらうためではいけない。だから、ここでは社会に出て役立つスキルを一つでも身につけて欲しい。当たり前のことができない人が多い中、それを教える人がいないというのも現実。それでは、若い人が可哀相だと。こんな一本筋の通った店主の料理は真っ直ぐで嘘がない。

元々、フランス料理のシェフだった店主が、なぜ和食屋なのか。それは、日本人が求める味が、味噌と醤油に行き着くから。独学で長年フレンチの中に和のテイストを取り入れていた。一つのコース料理では、どうしてもお客様が飽きてしまう。付け合せの中に和を取り入れたり、ソースの仕込みに味噌を入れてみたりと工夫次第で料理の幅も広がり、お客様の満足にも繋がった。この店を、開店するにあたり、フレンチではなく和食と考えたのも、日本人の味覚が和食に行き着くと思ったからだ。しかし、店主のフレンチも食べてみたいと思うだろう。「池見」では、7割を和食、3割を洋食として創作の味を楽しむことができる。今の時期のおすすめはエビとムースのサフランソース。これは「池見」の人気メニュー。日によっていろんな食材を組み合わせるので、その時々に出会う味が新鮮だ。手元に食材があれば、できる限りお客様の要望に応えたい。自分の手が空いていれば、メニューにないものも出したりしますよと。お客様から教わることが多く、自分が美味しいと思うものの押し付けではいけないと痛感するのだとか。素材にも、仕込にも手を抜かない。それが基本と語る店主の味に触れて欲しい。

もともと酒屋だった店舗を改装し、店のイメージを形にした。一歩入ると木目の店内が心地よく、店内のどこを見てもきれいに掃除が行き届いているのがわかる。隅々まで気持ちが届いているから、自然と心が落ち着き、どんな料理が出てくるのか期待する。欅の一枚板のカウンターは叔父さんにいただいたもので、愛着も強い。この場所からお客様と対面し、料理を作る。良くも悪くも、すべてが伝わるこの環境だから、何も隠すことはできない。料理をもてなすということは、ただ料理を提供することではない。美味しく食べてもらうための雰囲気づくり、お客様との関わり方、心遣い、どれか一つが抜けても人から長く愛される店にはならない。だからこそ、いい店を見つけるのは難しい。何においてもまずは基本があり、基本を疎かにしたのでは、その上にどんな料理を並べようと本物にはならない。本物とは何か、本当に美味しいものとは何だろう。それは、本当の意味で心の行き届いた料理ではないだろうか。そんな、料理を出してくれる店主に出会ったら、共に店を愛し、伝えていきたくなる。本当にお気に入りのお店は秘密にしたいもの。そんなお店が、創食味「池見」だ。

経田にある創食味「池見」は、連日美味しい料理を求めて足繁く通うお客でいっぱい。新鮮な魚料理に、ジューシーなお肉料理。和食から洋食まで幅広く味わえる。店主の手が空いていれば、ちょっとわがままなオーダーにも応えてくれるのが嬉しい。また、夜だけでなく、お昼にも「池見」の味を楽しみたい。お友達や、ご家族と、ちょっと贅沢なランチには、前日までに予約が必要だが、4名様からお一人様2500円で味わえる。また、法事などでの利用も可能。